すでに症状がでた人は!中医学では症状を鎮める・・抑える対症療法のことを標治、体質を改善する根本療法を本治と言います。これを並行してゆくことが重要になってきます。また症状が急な時は標を優先して治し、緩やか時は本を治すという原則があります。
ひどい時はつらい症状をすぐ取りたいですね。漢方薬だから効果がでるまでに時間が掛かるものばかりではないです。即効性もあります。
ただし自分の体質や症状に合っていなければその効果はありません。
どのような漢方薬がよいか体質や薬、食べ物を大きく「寒」「熱」で分けるのが中医学の基本です。
「寒」体質の人は「熱」性の、「熱」体質の人は「寒」性のものをとって体質のバランスを調節します。
例えば、水っぽい鼻水が出たりくしゃみが主な症状で、目やのどの炎症がないもの。どちらかというと身体が冷えている方で水分代謝が低下している。こういう場合は温めて冷えを取り除いて余分な水分を取ってあげる小青竜湯など。
逆に鼻水がねばねばしている、黄色っぽくなったり詰まる、目が痒い方。こちらは熱の方なので、余分な熱を取り除く涼解楽、鼻淵丸などが向いています。
大きく寒熱に分けましたが、実際の症状はもっと複雑です。特に花粉症の場合は変わってきます。
スギ花粉にしても2月ごろから始まりますが、この頃は気候も寒いので寒体質の方が多い。3月になり暖かくなると熱体質の方が増えてきます。また、治療過程でも性質は変わってくるので正しい見極めが重要です。
冬、夏のような花粉安定期には根本療法で体質改善をしっかりとやることが大事です。花粉症のようなアレルギー疾患になりやすい人は消化器系、胃腸系の弱い方が比較的多いので、普段から食欲がなかったりよく下痢しやすい人は香砂六君子湯などがいいです。 免疫力や身体の防御機能が低下している人もアレルゲンに過敏に反応するので、免疫を主る中医学でいう腎の機能、呼吸器系の肺の機能を高める必要があります。
漢方薬としては八仙丸などがあります。その他、普段の食生活も自分に合っているかどうか見直さなければなりません。