女性特有の不快な症状は、検査をしても異常が出ないため、他人に理解してもらえないつらい症状です。
特に更年期にかかる時期は、高齢になった親の介護や子供の教育問題、職場での仕事などを抱え、精神的ストレスもたまりやすい年代です。
更年期障害の改善には自分の体質を把握して、心と体のバランスをとることが大切です。
更年期の症状は、さまざまで個人差の大きいのが特徴ですが、中医学では大きく「肝気鬱結」「肝腎陰虚」「瘀血」のタイプに分類しています。
更年期障害で最もよく見られるのが「肝気鬱結」で精神的なストレスなどが原因で肝の気の流れが滞り、血流調節や月経調節などの代謝機能が低下して、イライラや落ち着かないなどの情緒不安定、不眠といった精神的な症状が現れます。
改善には停滞した気の流れをよくする疏肝理気作用のある漢方薬を使い治療します。
肝と腎の機能が低下して起こる「肝腎陰虚」は体の潤いも不足し、発汗やのぼせ、ほてり、めまいや耳鳴り、顔面紅潮、目の疲れやかすみなどが現れます。
改善には肝と腎の働きを高め、陰液を補う漢方薬を使います。
血液の流れが悪くなった「瘀血」は肩こりや頭痛、顔色や唇の色が黒ずむ、手足の冷え、生理時にレバー状の塊が出たり、生理痛が酷くなり、子宮筋腫や卵巣腫瘍などの原因になることもあります。
この場合には、血液をサラサラにして血行を改善する活血化瘀薬を使い治療します。