中医学では、花粉症は風邪(ふうじゃ)の侵入によって起こるものと考えています。
風邪が花粉を運び、寒邪や熱邪と結びついて身体に入り込むことで、花粉症が引き起こされます。
くしゃみや鼻水などの症状が現れるシーズン中は、症状を緩和する対症療法が効果的ですが、タイプによって方法が異なります。 花粉症は大別すると身体が冷えて水分代謝が低下している「風寒(ふうかん)タイプ」と、炎症による症状が現れやすい「風熱(ふうねつ)タイプ」があります。
花粉症になって間もない人に多く見られる風寒タイプは、くしゃみや水っぽい鼻水が出るのが特徴で、治療には身体を温めて余分な水分を取り除きます。
逆に花粉症になって何年も経つ人に多く見られる風熱タイプは、目のかゆみや充血、鼻づまり、のどの痛みなどの炎症を抑えます。
適応する漢方薬はそれぞれのタイプや体質により異なりますので、ご相談ください。
花粉対策として気軽に飲めるお茶は、風寒の時期には、寒さを取り除き身体を温める作用のある、しそ茶、シナモンティー、こぶしの花のつぼみ(辛夷)などがよいです。
風熱の時期には、余分な熱や炎症を取り除く作用のある、菊花茶、金銀花茶、たんぽぽ(蒲公英)、ミントティー、板藍茶(ばんらんちゃ)などがおすすめです。