中医学では春は風の季節と言われ、その風に乗ってやってくる花粉に悩ませる人が多く見られます。
中医学では、花粉やウイルスなどの外敵から身を守る力を「衛気(えき)」と呼んでいます。身体を守る衛気は五臓の中で特に「肺・脾・腎」と深い関係があります。
「肺」は呼吸器系の他、体温調節や体液の代謝を司り、衛気のバリアを全身に張り巡らせる働きがあります。
「脾」は消化器系を司り、食べた物から栄養を吸収して気(エネルギー)に変換し、衛気もこの働きから生み出されています。
「腎」には生み出された気を貯蔵する働きがあります。
中医学では、不足した気を補うものを「補気薬(ほきやく)」と呼んでいますが、その中でも衛気を養う生薬として知られているのが、「黄耆(おうぎ)」です。黄耆は、花粉やウイルスに侵されやすい粘膜や体表部分を強化し、免疫力を高めるだけでなく、身体の状態に応じて免疫力の過剰反応を抑えてバランスを保つ働きも兼ね備えています。
この黄耆が配合された補気薬に「衛益顆粒(えいえきかりゅう)」という漢方薬があります。
「衛気」を強化する「黄耆」に、胃腸の働きをよくする「白朮(びゃくじゅつ)」と風邪(ふうじゃ)の侵攻を防ぐ「防風(ぼうふう)」を加えた衛益顆粒は花粉症やウイルスの根本治療をめざす人におすすめの漢方薬です。